内田百けんが「鉄道館漫記」と題した随筆を書いている。彼が半月ほど、東京駅の鉄道ホテルに泊まり込んだときのことだ。眠れない夜、午前4時になると初発電車の響きが聞こえ、どうにも気になったという▼まだ空は暗く、真夜中のようであるのに、1分の間違いもなく、ボワという警笛が鳴り、がたんがたんと電車が走り出す…