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高校野球

徳島商vs佐賀商

第79回全国高校野球選手権大会 2回戦

阪神甲子園球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
徳島商 0 1 0 2 0 1 2 1 0 7
佐賀商 1 0 0 2 0 0 0 0 0 3

投手

徳島商 中山
佐賀商 相浦

本塁打

徳島商
佐賀商 高橋

<死球に不満> 「力は出せた」という相浦だが、内容的には不満のようだ。4四死球のうち3個が死球。それがすべて失点に結びついた。なかでも、2回2死無走者から、4回にはバントの構えをした打者にぶつけたのが痛かった。「こんなに死球が多いのは初めて。理由? わからない。相手が上でした」◇同点スクイズ、走者動かず 徳島商へ流れ加速 会心の盗塁を決めた後の一瞬の空白。それが試合の流れを止めてしまった。 1点をリードされた直後の6回、佐賀商は1死二塁から高橋が3球目に三盗に成功した。「投球モーションを盗めたら走れ」という指示通り、鮮やかなスタートだった。カウントは1―2。田中監督はすかさず打者の森永にスクイズのサインを送る。「相手バッテリーは動揺している。考えさせないうちに一気に攻める」狙いだ。 対する徳島商の加藤捕手の頭にスクイズは浮かんでなかった。真ん中に入ってきたスライダーを三塁線に転がされ「やられた」と思ったという。 しかし、三塁走者は動かない。高橋の頭にもスクイズはなかった。「サインの見落としです。スクイズはあり得る場面なのに、なぜだか分からない……」。試合後、固くこぶしを握りしめた。 同点機を逃した佐賀商。このイニングを境に流れは徳島商に傾き7、8回の失点で、勝敗は決した。 田中監督は「あそこで追いついたとしても、終盤でまた点を取られていただろう。しようがない」と高橋をかばった。「盗塁の後で気が動転していたのかも知れない。練習では出来ても、本番では緊張してできないこともある」と続けた。 3年前に全国制覇した時の田中公士監督は、佐賀大会まで部長を務めていた。当時のチームとの比較を求められて、「総合力では上。ただ少し精神的にもろい」と話していた。優勝監督の危ぐは、この日現実のものとなった。