ログイン

高校野球

育英vs春日部共栄

第75回全国高校野球選手権大会 決勝

阪神甲子園球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
春日部共栄 0 0 0 1 1 0 0 0 0 2
育英 2 0 0 0 0 0 0 1 x 3

投手

春日部共栄 土肥
育英 井上→酒谷→松本

 育英(兵庫)―春日部共栄(埼玉)のともに初優勝をかけた一戦は、「日本一」を競うにふさわしく、決勝としては史上26回目の1点差の競り合いになった。23日、五万人の大観衆の前で、最後に校歌を歌ったのは、育英の選手だった。深紅の優勝旗は、12年ぶりに阪神甲子園球場の地元兵庫にかえった。  ◇決勝スクイズが敵失誘う 育英が伝家の宝刀をいきなり抜いた。1回、安田のプッシュバントは投手の頭上を越す二塁内野安打。続く岡本がバントの構えから強打してヒット・エンド・ランが成功した。 警戒網のなかでの鮮やかな切れ味。大村の四球で満塁とした後、西内が右前安打、さらに桑鶴の投前スクイズで2点を奪った。 8回には、1死一塁からまたもヒット・エンド・ランで切り開き、田中の投前スクイズは走者のスタートが遅れたものの、投手の悪送球を誘い決勝点を奪った。 土肥のモーションを盗んで二盗に成功した大村など、相手投手のくせを見抜く目と、抜け目のない走塁。負傷した安田に代わって出た佐藤が、楽々と投前に決めるなど、チーム全体に「バントの正確さ」が浸透していた。 また、不安のあった三投手の持ち味を発揮させた継投も見逃せない。思い切りと、ここというときの手堅い攻めなど、ベンチの的確な指示が、試合ごとにチームを成長させていた。 春日部共栄は5回、小川の右越え二塁打から同点に追いついた。球を引き付けて打ち返す巧みな右打ちで、育英投手陣を攻めたが、あと1点に泣いた。育英の小技に神経を使いながら3連投に耐えた土肥の好投。その2年生バッテリーを支えてきた守備陣。最後まで緊迫感の漂う好試合だった。